けやき会 会長挨拶
2018年 8月
けやき会会長 岡田 道程
埼玉大学教養学部同窓生の皆さま。
この度、酒井憲太郎、武井尚、栩木誠の諸氏のあとを受けて、第４代「けやき会」会長に就任しました。私自身、1991年（平成3年）に立ち上がった同窓会設立メンバーの一人として、以来27年間、同窓会に携わってまいりました。同窓会の名称募集があった時にも、真っ先に応募して、「けやき会」という呼び名が採用されました。
北浦和から所沢に至るけやき並木は、日本一の長さを誇ると言います。キャンパス内は、北浦和から大学が移転した当初、木々もまばらでしたが、今はけやきの樹を中心に鬱蒼と樹木が生い茂るまでになりました。同窓会も、けやきのように大地にしっかりと根を下ろし、力強く、逞しく育って欲しいとの願いを込めて命名しましたが、皆さまのお陰で立派に成長するに至りました。
教養学部もずいぶん様変わりし、１学年の定員100名が、3年次編入学を含めて現在、約200名に倍増。女子学生も、かつての2割前後から今では7割を占めるまでになりました。
教養学部は、東京オリンピックの翌年、1965年（昭和40年）設置ですが、前身の文理学部を入れると70年の歴史を持ち、優に8,000名を超える卒業生が各界で活躍しています。
2003年（平成15年）には、旧文理学部文学科・人文学科の同窓会とも統合を果たし、多くの同窓生諸氏を迎えることができました。
現在、けやき会の同窓生は、同時に経済学部、教育学部、理学部、工学部の各同窓会との連合体である「埼玉大学同窓会」の同窓生でもあります。（栩木前会長は現在、埼玉大学同窓会会長に就任。私も、埼玉大学同窓会副会長を兼務。）
これに伴って、同窓会の活動範囲も、広がっております。
まず、教養学部の在校生のために同窓会のもつ人的資源をどうやって生かすのか、という観点に立って、就職支援活動としての就職相談会、卒業生による社会人講義（寄附講座）、教養学部への教育研究支援など、さまざまな活動を積極的に行っています。
また、卒業後も、母校の情報発信や同窓生と先生方の交流の場を毎年もうけております。具体的には、名簿の作成とデータ管理、けやき会会報の発行、ホームページによる最新情報の発信、恩師や同窓生による講演会、総会及び懇親会による教員と同窓生（学生、卒業生）相互の交流と親睦などに努めています。
さらには、埼玉大学同窓会の立場から、埼玉大学の各種活動にも全面的に協力しており、数年前から始まったホームカミングデーを大学と共催で毎年実施しているほか、種々の基金にも協力し、学生の学修環境を整えるための支援も行っています。
取り分け、注目していただきたいのが、2017年、埼玉大学ホームカミングデーのゲストとして講演された梶田隆章さん（東大放射線研究所長）と2018年、講演の小松和彦さん（国際日本文化研究センター所長）です。
梶田隆章さんは、ご承知のとおり、謎の素粒子「ニュートリノが質量を持つ事を示す、ニュートリノ振動現象の発見」により、2015年ノーベル物理学賞を受賞したことは記憶に新しいところです。なお、埼玉大学理学部講義実験棟前に、梶田隆章氏ノーベル物理学賞受賞の「記念樹」（Memorial Tree）が植樹されているのをご存じでしょうか？これは、小石川植物園にある、ニュートンが万有引力を発見したことで有名な生家のリンゴの木の接ぎ木から分譲したもので、誰でも見ることができます。
一方、小松和彦さんは、民俗文化の信仰・伝説・昔話などで独自の研究を開拓し、特に妖怪研究の第一人者として、2016年文化功労者に選ばれました。梶田さんは、埼玉大学理学部物理学科の卒業生ですが、小松さんは、嬉しいことに、わが埼玉大学教養学部の卒業生で、けやき会の同窓生でもあります。
このように、けやき会では、毎年6月、講演会及び総会・懇親会を開催しており、10月に、全学的にホームカミングデーの講演会と懇親会を開いております。どちらもたくさんの同窓生に集まっていただきたく、皆さまのご参加を心からお待ちしております。
埼玉大学教養学部は、生涯の母校です。母校の同窓会は、私たち同窓生が一緒になって作り上げて行くものです。今後とも、埼玉大学教養学部同窓会「けやき会」に対して、何とぞご理解とご協力を賜りたく心からお願い申し上げます。
（1976年哲学・思想コース卒）
＊なお、2018年10月13日（土）に行われる第８回埼玉大学ホームカミングデーでは、教養学部の卒業生で文化功労者の小松和彦さんの講演「龍宮城の謎～絵巻が語る日本人の異界観」が予定されています。詳しくは、埼玉大学ホームページもしくは埼玉大学同窓会ホームページをご覧ください。
多数のご参加をお待ちしております。（講演会は無料、懇親会は2,000円）
